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チダコウイチ It's my style〜これがワタシのおしゃれ道〜 Photo : Eiji Muraoka / Text : Rumiko Igaki

おしゃれに独自の視点を持つファッション関係者にインタビューする、“It’s my style”後編は 『チダコウイチ氏ファッション放浪記就職編』から現在に至るまでの軌跡を徹底追跡!チダさんのファッションに対する変わらぬ思いとは…?
パートナーのFiLLY O’LYNXディレクター野口アヤさんとの気になるプライベートも探ってみました。

チダコウイチ Profile

文化服装学院ファッション工科専攻科(当時)卒。 「サンエーインターナショナル」「ワコール」などを経て、DGRACE、MARY QUANTなどのブランド再生ディレクションを任される。東京コレクションでeupepombooを発表後、株式会社フレーバを設立。現在ショップ“carlife”のディレクションや株式会社ワールドのOZOCのディレクターとして活躍。自身のブランドOUT of ACTION、the VERY BEST of OUT of ACTIONなどで様々なジャンルの人達とのコラボレーションをしたり、またアジア3カ国でOZOCのショーを開催するなど、幅広い活動を見せている。 また2006年冬よりOUT of ACTIONのアシスタントデザイナーを務めていた古橋彩のコレクション、FURがスタート。2008年春夏東京コレクションでは自身もFURのアートディレクターとして参加予定。

考えに考えた末に入ったナカノヒロミチさんのコレクション部隊。なんだか、チダさんの方向性は最初からコレクションを行っているブランドに至嘱があったような気がしますが・・・。

あの当時、ストリートの世界ではクラブカルチャーが全盛でした。ナカノヒロミチさんの洋服にはそれが色濃く感じられた時代でもあったのです。今はもっといろいろなチャンネルも増えてライフスタイルと服がリンクして、上手に楽しんで物を選べる時代になりましたね。
あの当時はある意味、僕の興味のあったものがアンダーグラウンドなカルチャーや、クラブミュージック、そして現代アートなどであり、それにインスパイアされた提案がほかにはなかったような気がします。
僕にとっての洋服はカルチャーやアート、文化なんかが反映されてなければ面白くない。それに意味があるし、醍醐味を感じます。 例えば、carlifeを中目黒につくった時はそういった過去の流れと、現在の僕の環境から感じるニュートラルなバランスや自由といったキーワードを形にしたもので、理想の形を求めて現在も進化させているつもりです。

それと、僕は絶対にこれじゃなきゃいけないというふうに物事を固く考えないのかも。曖昧さが好きで今自分がいる場所もここじゃなきゃいけないというわけでもなく、ある種の境界線に対して自由なボーダーラインを引いているのだと思います。自分に合うものを見つける事の方が心地よいのかもしれません。


例えば、いわゆる“モテ服”は僕のジャンルとは違いますが、その中でも“かわいいな”と思う着こなしを見つけたとき自分の中で反応する部分があるわけです。
そう、ファッションの中でいろんなところへ旅をするような感覚ですよ。
やってみたことがないからやってみたい、とか。結局この10年くらいは自分でも驚くぐらい色々なことをしてきたなと。
ブランドの再生からディレクション、ショップ作りに会社作り、ブランドも複数作りましたし東コレにも参加しました。しかし、去年の半ばくらいから自分のモノ作りの方向性に大きな変化が起き始めているのではないかと感じています。

自分のやっていることの時間と内容を考えるとこのままでいいのかなとか。ひとつひとつの仕事や、家と会社の距離感とか今までと違った視点で色々なコトを見つめ直しています。
そんなこんなで去年の末に、自分の中で仕事が1周してまたスタート地点に戻ってきたような感覚になったんです。(射手座は今年12年に一度のスタートの年だそうだ。)
今は、今年からまた違う方向に向けて、新しいスタートを切ったような気分です。
やりたいことがたくさんあります。
世の中の大きな流れに逆らうつもりはありませんが、ちょっとはずれたところに居心地の良さを感じます。自分がやっていて面白い方向に挑戦していきたいです。どうしても、アンダーグラウンドになりがちですが…(笑)。
そうそう、今はs-comu.(*1)に夢中です。1日に3回位チェックしてますよ(笑)。

アパレル業界に入ってから先のみえない道に新たな道をつくり、つねにチャレンジし続けてきたチダさん。今年はまさにフレッシュな気持ちでスタートを切ったようで、話を伺っていると、こちらも爽快な気分になってきます。そんなチダさんは、プライベートでも昨年ちょっとした変化を迎えたようで…

昨年、神奈川県の秋谷という、葉山よりひとつ先の町へ引越したんですよ。
最近の休日は雨が降ってなかったらジョギングをして、その帰りに海のそばで漁師がやっている魚屋へ寄って美味しい魚を買って帰るのが定番ですね。秋谷は港町なので魚が新鮮で美味しいんですよ。ここに引っ越してきて、生活も変わりました。
以前は会社の近所に家があったので、いい意味でも悪い意味でもなんでもかんでもでした。それこそ、深酒して次の日死にそうになりながら仕事したり(笑)。
だから、今はものすごく健康的ですよ。
野口(*2)とは…付き合ってとても長いのですが、彼女は僕にとってのトレンドセッターですね。
いつも、野口が興味を持ち始めたことに僕も入っていく。たとえばハワイへ行くのも、僕ならハワイのミュージシャンやカルチャーに傾倒してってパターンですが、野口の場合はサーフィンで。しかも、すんなり自然に自分のものにしている。結婚後、秋谷に引っ越したのも野口の提案でした。


最後に、チダさんのファッション観、今後の夢をお聞かせください。

さっきも少しお話したけど、ファッション観にしても「これじゃなきゃ」っていうのがないんです。常に興味の対象が変化するのでその中で旅をすることが僕のファッションでもあるので、はじめディレクションをしたブランドも最初は興味があまりなかったのですが、やっていくうちに楽しくなってきて…スタイルが遠くても、不思議とその中で楽しさを見つけ出している。優柔不断なのかなぁ。ここの部分が好きとか、一緒にやっていく人のくせだったりとか。
自分の中の落としどころ…というか“カチッ”とネジが合うように、「この場所」とは言わない自分が存在するんです。
身近な夢は、僕が携わっているブランドがどうしたらいいブランドになるかなぁ…と(笑)。
今後、自分達の生き方がそのまま道しるべになってくると思うんで、パリコレ行く?って言われても困るし。等身大の歩みとともに、ちゃんと物づくりをしていきたいです。
もちろん頑張りますよ!服を大切に、真剣に作りたい。
そして、つねにスタッフには先を行っていて貰いたいです。僕は脇役として…最近はもっぱらプレス部長みたいな感じの仕事してますね(笑)。


チダさんが発信するものから感じられる臨場感や日常の空気感を切り取ったようなニュアンスは、幼い頃に体験したトレンドが世の中の流れを変えていく様やチダさんの柔軟性や天性のバランス感覚、経験値が絶妙にブレンドされた賜物だと改めて感じます。おしゃれは自分が愉しむものだから、これという正解がない。私たちも、その日の着こなしを旅をするかのように愉しんでいろんな表情を出せる女性になっていきたいですね。

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